メルセデス・ベンツCクラスで行く
「土師(はじ)ダムへの旅」
しゃくなげ大橋のたもとにて
目的地の土師ダム(はじダム)の前に立ち寄った福富ダム湖畔に架かるしゃくなげ大橋(の看板)


2019年10月下旬に恒例?のダム巡りをしてきたのでご紹介したいと思う。
今回の旅の相棒はドイツ製高級車メルセデス・ベンツC180セダンだ。初メルセデスであり、おそらくこれが人生で最後のメルセデス体験となるだろう。なので、丸一日をかけて約500キロを走ってみた結果、意外なことに気付かされたのだが、それは一体・・・。

マイナー前のテールライト部デザイン 現行(マイナー後)型のテールレンズデザイン
左側がマイナー前のテールライト部。右側は2018年秋に大幅なマイナーチェンジを受けたデザイン。
つまり現行型セダンだ。Cクラスを表すCの形になっている。(ステーションワゴンは別デザイン)
個人的には上位車種であるSクラスにも相通ずる左側のマイナー前のほうがよかった。

いつものようにまだ薄暗い早朝に自宅を出発。
一時間弱一般道を走った後、今治北ICからしまなみ海道に乗って広島県を目指す。広島県には度々訪れているので、瀬戸内海の島々に架かる壮大な橋にも慣れてしまい、特にコレといって感動も無く尾道市に入った。曇っていたせいで朝日が拝めなかったせいもあるが。

ただ、景色には感動しなかったがこのクルマの出来の良さにはとっても感動した。
さすが世界のメルセデス車。走り出してすぐに感じるこの剛性感。なんだこのかたまり感は!これがフツーのコンパクトセダンで実現できていることが信じられない。

動力性能も当初ただの1,6リッター直4エンジンだから過度な期待はしてなかったが、1,6リッターでこれだけ走ったならもう2リッターなんて必要ないと思わせるほど。これは一般道に限らず高速道路を結構な速度で走行しても印象は変わらなかった。
というか、速度域が高くなればなるほど路面にピタッと張り付くこの安定感。日本の高速道路のスピードレンジでは余裕ありすぎである。

そのエンジン性能や賢いシフト変更を行ってくれるトランスミッションと並んで、このブレーキの剛性感といったら半端ない。いつでもどこからでも止まれる安心感がブレーキペダルを通してひしひしと伝わってくる。ただ案の定、一日走ったあとにホイールを見てみたら茶色いパッドのカスがいっぱい付着していた。ここは外車あるあるの一つだろう。

AMGライン装着車のためホイールが例の形に
定番カラーでもあるオプシディアンブラックがカッコいいC180。AMGライン装着車のためホイールサイズが18インチとなり
かつホイールデザインも見慣れた5本のツインスポークタイプとなる。フロントアンダースポイラーもそれによる変更点だろう。
ボディサイズは全長×全幅×全高 4,690×1,810×1,445 (ミリ) と日本の道路環境でも扱いやすいサイズだ。


土師ダム下の空き地にて
巨体のSクラスであっても驚くほど小回りが効くのはこのキャンパー角のおかげ。FR車の美点の一つだろう。
取り回ししやすいサイズ、見切りのいいボディ、よく切れるハンドルと、おそらく国内で乗るならベストコンパクトセダンでは
ないだろうか。といっても、すべてのクルマを乗った上での意見ではないので反論はご容赦を。あくまで個人的感想である。


広島県三次市にある中華そば矢野家
以前にこの道(R184)を走ったときに気になっていた中華そば屋さんに寄ってみた。広島県三次市にある矢野屋さん。
そこそこお客さんも居たので店内での撮影は差し控えたが、クセの無いあっさりとしたスープが好印象だった。山賊むすびとの
セットがオススメ。珍しいことにコインランドリーが併設してあるので、洗濯乾燥を待つ間に食事も済ませることが出来る。


土師ダムの管理事務所前にて
雄大な土師ダムにて。午後になってやっと晴れ間が出てきたが、朝は雨混じりの悪天候だった。
このクルマにはサイドバイザー(ドアバイザー)が付いてないため、少雨の時には換気目的で窓を
少し開けて走るという行為が出来ない。外車って、他のメーカーでも装着されてないクルマが多い。
この日は山間部の走行が多かったので、写真のように少し窓を下げていると心地良いキンモクセイの香りが漂ってきた。
窓を閉め切ってエアコンだけに頼ってしまうと、そういった情緒や季節の移り変わりも味わえないのに・・・。


毎回そうではあるが、この日も市街地、高速道路、ワインディングと、出来るだけ多岐に渡って走行してみた。
そこで改めて感じたのはメルセデス・ベンツC180の完成度の高さだった。とは言え、これでマイナー前モデルである。6,500箇所にも及ぶ変更を受けたマイナーチェンジ後の現行モデルって、一体どんな車に仕上がっているのか想像も付かないほどだ。
エンジン良し、トランスミッション良し、足回り良し・・・もう私のような庶民がケチを付ける事なんて何処にも無いように思えるが、それでも気になる所はどんなクルマにも必ずあるもので・・・
1.コラムシフトはやっぱり危険
JIS規格の日本車と違ってISO規格で作られた大部分の外車は、ステアリングの左側がウインカーレバーで右側がワイパーレバーとなっている。つまり逆になっているのだ。外車に慣れてない人が走り始めて最初にやらかす失敗が、このウインカーを出そうとしてワイパーを動かしてしまうことではないだろうか。まあこの場合の失敗は可愛らしいし、危険度も低い。
でも昨今のメルセデス車はほぼコラムシフト仕様になっていて、そのレバーが日本車でいうところのウインカーレバーの所に位置している。
このせいでどういったことが起こるのかを想像してもらいたいのだが、左にウインカーを出したつもりが実はシフトレバーを動かしてしまい、ニュートラルに入ってしまった・・・ということがあり得るのだ。
慣れれば従来より使いやすいとメーカーサイドは謳っているらしいが、私から言わせるとコラムシフトが一般的な車社会である米国での販売を第一に考えた戦略に他ならない。巨大マーケットである米国からもたらされる利益から比較すると、日本人の不便さなど気にすることでもないのだろう。
ちなみに、今回私は終始意識しながら操作していたので幸いにも間違うことはなかったが、この先もずっと誤操作しない自信はない。
国産車のウインカーレバーの位置にシフトレバーがある不自然さ
2.左足が窮屈
右ハンドル仕様に作り替えた外車ではよくあることなのか、それともメルセデス車特有のことなのか分からないが、通常のドライビングポジションを取るとトランスミッションの張り出しが大きくて、左足がセンター方向に押されるようになる。腰から上は広々しているのに足元は結構窮屈なのだ。これを嫌がって張り出し部に当たらないようにすると、左足の位置が不自然に中央寄りになってしまう。自動車評論家の先生方はこういったことには触れてないのだが、これはこれで結構なストレスになると思う。
3.ヘッドライトは消灯したい時もある
このことについては賛否両論あるので一概にダメな所だとは言わないが、やはり任意に消せるライトスイッチはあって欲しい。オフスイッチがないのはヒューマンエラーを防ぐためだろうが、そういうなら車輛が動き出してもライトがオンの状態になってなければ警告音を発生させる・・・とかで点灯忘れ防止はできると思う。
そもそも私が住んでいる田舎では都会と違って基本的に道は暗いのが当たり前。自車のヘッドライトが点いてなかったら嫌でも分かるのだ。


なんて、まさに重箱の隅をつつくような些細な点を指摘させてもらったが、逆に言うと気になる点がそれぐらいしか思い付かなかったということだ。(上段でも書いたがホイールが汚れやすいこともあるけど)
反対に良いところを挙げろと言われればこの何倍もスペースを確保して書かないといけないほど素晴らしいクルマだった。売れるクルマには売れる理由がちゃんとある。

今回、一日掛けてトータルで約500キロを走った。
でも驚くほど疲労が少なかったことは特筆すべき点だろう。ちなみにクルマ任せにするのが勿体なくて、ACCの類は一切使用しなかった、にもかかわらずだ。一日でこんな距離を走ったあとでも、腰やお尻がまったく痛くならなかった。こんなことはクルマに乗り始めて35年以上経つが、初めての経験だ。なので、誤解を恐れず私なりの結論を書くと
「メルセデス車の真骨頂はシートにあり!」



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